玄関のドアを開けて一歩外に踏み出せば、名前も年齢も知らない人達とすれ違う。
でもその人は他人だから声なんかかけない、そしてかけられる事も滅多にない。
これはきっと、そこに“人が居る”という感覚ではなく、自分から見て街と人が“ひとつの風景”になってしまっているから。
でも、そんな風景に溶け込んだ人達にも、当たり前だけど、それぞれの歩んできた道があり人生があり、そして今がある。
“いつも素通りして、見逃していた風景の中に入り込む”ような。
そんな体験をしたら、いったいどんな心の変化を味わうことができるだろうか、いったいその体験は自分に何を届けてくれるだろうか。
テレビのヒューマンドキュメンタリーを見て感動する事、共感する事、勇気を貰う事は、誰しも経験があるかもしれない。
では、名もなきいつもすれ違っていただけの風景みたいな人、そんな人の人生を覗く事が出来たら、同じ様な感情が生まれるのでしょうか?
あるいは、有名な名前と才能があるからこそ、影響を受けたり勇気を貰ったりするのでしょうか?
その答えが、この「他人」の中にはあるような気がします。
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